8月15日

その日の印象は 空気が熱と圧力を持っていて
呼吸するのが苦しかった 気がする
暑いのに汗腺を塞がれたような 
皮膚が窒息しそうなのに
空だけはスコーンと 真っ青に抜けて
蝉の声が姦しかった 気がする


外的条件が 個々の自由を圧殺して 
適応を強いた時代から
自分の内部に 行動の根拠を見いだすことが
できる時代にあって なおのこと
私たちは あふれる情報 様々な価値観の中で
何を基準に 何を選ぶかを 日々選択している


その日 私はまだこの地球に居なかったけれど
息苦しさが どう変化したのかを 想像してみる
そして 解放と空虚の 両方を思う


どうしてほしいのか ではなく
どうしたいのかを 自分に問い
沈潜と表現の両翼に 生命を乗せて
個々の存在の尊厳を 羽ばたかせたいと願う