ストレスのバランス

先日、3泊4日の出張から戻ってきました。桜前線は北上中のようですが、東京もまだ昨日今日、少し散り始めた中でのお花見も盛んな様子ですね。
さて、今回の出張はこれまで半年ほどメールコーチングを続けている方の「パーソナルコーチング」であるライブセッションが目的でした。こちらのスタジオにおいでになるよりも、その方の環境に伺う事が今回の選択だった訳です。
今回のケースでも私感じることですが、私の仕事(コーチングとしての澄路線)が、やはりとてもとてもニッチな世界だなあ、という事です。謙遜で言っているのではなくて (*_*)・・・「この道の専門家」「あの道の専門家」「その道の専門家」「何々のプロ」という世界の間にあるグレーゾーン。
専門家が線引きしてしまう(せざるを得ない)線と線の間のグレーゾーンの中に「その人独自の解答」があるんだもんなって、いつも考えさせられます。
Aさんは、とっても優秀で負けず嫌いで頑張りやさんで有能なキャリアウーマンです。仕事をしながらも自分のアイデンティティーの確立とプライベートな生活の充実を真剣に追求していた彼女。
でも、誰でもが錯覚しやすいのは、肉体の若さは精神のエネルギーを支え、その精神のエネルギーが肉体をも引っ張り上げているように感じていること。
実際は、肉体のストレスの解消(回復)と、精神のストレスの解消(回復)のバランスがとれていない事に気がつかなくて、それが何かのきっかけで崩れを感じた時に受けるショックと立ち直りまでのプロセスに、本当にその人にふさわしい形で伴走してくれるプロがいないんですね。
肉体のダメージは医師に、精神のアンバランスはカウンセラーに、という体制は整っているのに、当の「本人」がその専門家では自分を取り戻せないと感じてしまう。。。だけど、他に手だてがないので、長い事いったりきたりしながら医師やカウンセラーに通い続けるか、あるいはカウンセラーを変えてみたり、他の療法を試してみたりの繰り返しをしている方は実際数知れません。
彼女の場合も、持ち前のがんばりと仕事への責任感が高じていました。
メールコーチングを始めて私が薦めたのは「病院に行く事」。私のスタンスは、「医師やカウンセラーではダメ」なのではなくて、患者側が賢くなって「プロを使う」事ができるほうが、本当の恊働体制をとれるということだからです。
仕事にかけている人って、男女の差無く「それで現場を離れる事になったら」という不安がつきまといます。でも、現場ではこれまでには考えられないほどの疲労感や無力感。1月に決意して病院に行ってくれたのは本当に嬉しかったです。で、医師の診断は「即入院。3ヶ月」・・・そう言われたショックと、奇妙な安心感は、そうなってみた人でないと分からないかもしれませんね。
あんなに入院を恐れていたのに、朝、病室から見下ろす街を通勤者が動いているのをみて、あんな風に動けていたのが信じられないという実感も感じたそうです。
ところが入院して様々な検査をした結果、肉体的ダメージは彼女の自覚状態の半分以下に過ぎませんでした(私の予想とは一致)。それで、会社には「自律神経の失調」という診断書を出す事になり、最大6ヶ月の有給休暇が認められました。これまで有給をとった事がない彼女の仕事への姿勢が伺われますが、それでも今時、恵まれていますね。
そして病院では時間があるので、メールコーチングには最適環境です。
その結果、入院して1ヶ月の後に自宅療養という事になりましたが、彼女は自分の中の「早く復帰したい」という気持ちと「復帰する事を考えるだけで震えが来る」というアンバランスを整理できません。カウンセラーは彼女にふさわしいと思われる「療法」や「県外の施設」を紹介するというそうですが、彼女の感受性は「そういう所にいくことではない」と。。。
その時点でも私のアドバイスは「専門家にかかりながら、私はメールコーチングで伴走するから」だったのですが、確かにそれでは「彼女にとっての特定解」は得られないだろうとは思いました。そして彼女自身が「先生に紹介していただく所ではなく、自分が信頼する方法で」と医師に申告して私が行くという事になったというのが今回の経緯です。
今回のライブセッションを終えて、彼女は自分で決めた「5月の連休明けに復帰」に向かって、肉体と精神のそれぞれの回復度のバランスを感じながら日常を過ごしています。私が帰った後に主治医とは面談して、現状報告もしたそうです。もちろん私もメールコーチングを続けます。
自分にとっての最高の強みが一番の弱みになってしまう瞬間。弱みだと思っていた事が、実は自分を助けてくれる方向へ導いてくれる場合があること。。。
人はなんどもそんな場面で立ち止まりながらも、新しいベクトルを作り出していくものですね。
おかげさまで私自身のベクトルも、ふさわしい方向を向いているようです。いよいよ明日はホームページのリリースもできそうです。明日以降、改めてひらいてみて下さいね。

4月6日から見る事ができるcos-comのHPです!
http://www.cos-com.com
が、これからの出会いの窓口です。

以下は、この記事でblogに掲載してもいいかどうか、本人に問い合わせたら帰って来たメールです。そう、改めて「記事」として読む事でまた違った印象を持ってもらえたみたい。よかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
澄さんと過ごし、「きついながらも何とか現状解決法を見つけ出そう」と必死だった私とその私にサジを投げずに同じように必死に付き合ってくれた”時”が蘇ってきました。私とのコーチング体験が澄さんのお役に立てるのならどうぞブログに載せて下さい。私自身も読みながら新たなエネルギーを頂きました。私からの内容についての改稿部分はありません。明日のホームページリリース自分の事のように嬉しいです。これからもよろしくお願いします。今もうすぐサッカーの練習から帰って来る息子のクリームシチューを作っています。Aより