関係性の進化

Iさん、ご自分が「いかに『類型化』や『予定調和』を前提に人と接していたか」というお話、楽しく拝読いたしました。会社での新しい試み、またのメールを楽しみにしております。お若い頃のエピソードをお聞きして、大丈夫、これからでもますます思考の翼を広げてご活躍できる方だという印象をたくさん感じています。
私も言葉を駆使する仕事をしていて常々感じる事は、ひとつの単語や文脈をとっても、瞬時に人は過去に概念化した意味で受け取っていて、さらには言葉に言葉で返す反応が早いほど「できる」とされている世界に住んでいる方のいかに多い事か、という感慨です。私の使う「記号論」にしても、それぞれ(相手と私)が持っている先入観での解釈を超えるツールとして敏感に察知して下さる方もいらっしゃれば、それに抵抗をもたれて、こちらが特定の観念を背景にして独善的な記号論を駆使しているのかと感じる方もいらっしゃいます。「共感」の領域を相手の方の表現の中で過ごす時間が短すぎたかなと反省しつつ、改めて関係性の位置と距離を考える日々です。